コンビニだけでなく接客業はクレーム対応は避けては通れないですが、特にカスタマーハラスメントの対処は悩みを抱えることが多いと思います。
ですので、今回は私の経験を元に、カスタマーハラスメントの対処法を紹介致します!
目次
カスタマーハラスメントって何?
カスタマーは顧客、ハラスメントは嫌がらせという意味が含まれており、カスタマーハラスメント(カスハラ)は顧客による嫌がらせという意味です。
客による悪質なクレームをカスタマーハラスメントと呼ばれており、例えば客からの暴力や罵倒が当てはまり、コンビニでは多くの店員が客からの悪質は行為を受けたという調査もあったそうです。
私も未成年と思われる方に身分証明書を提示していただくように言うと、「俺が未成年に見えるんか?お前舐めとんか?殺すぞ!」といわれ胸ぐらを掴まれ脅されたこともありますし、ご年配の男性がタバコを購入する際に、20以上を示すボタンをタッチしていただくように言うと、「何で俺がタッチせんといかんのか?お前がタッチしろ!」と言われたこともあります。
もちろん、退治しましたけどね(笑)
関連記事→未成年にタバコの販売を断ったら殺すと脅迫された(笑)
他にも何度も理不尽なクレームを受けたことがありますが、きちんと対処法をマスターしていれば、カスタマーハラスメントに遭遇しても怖いものはありません。
どんな悪質クレーマーを相手にするときでも気をつけることは同じです。
お客様は何に怒っているのか?
誰でもクレームを言われるのはいい気がしないですよね。
ですので、どうしてもクレームを受けている状況から逃げたくなり、クレーム対応に慣れていない人は、とにかく謝る傾向にあります。
本来であればお客様の怒りを静めるために謝罪を行うのですが、怒りを静めるためというよりは、お客様が怒っているからとりあえず謝り早く今の状況から脱するために謝罪をしてしまうのです。
お客様が何に怒っているのかを理解し、そのことに対して謝罪をしなければならないのですが、ただ謝るだけではお客様は平謝りをしているようにしか思えず、それではお客様の怒りを静めることはできません。
怒りを静めるためには、何に対して不満を抱いているのかについてアプローチする必要があります。
そのことについて何も触れずただ「お客様にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。以後気をつけます」と言ったところでお客様の心には何も響きません。
ですので、何に対して怒っているのかを正確に理解することからクレーム対応は始まります。
クレームを言う人は特殊?
クレームを言うということには、なかなかエネルギーが必要です。
特に日本人は、悪目立ちをすることを嫌い、周囲の和を乱すことを避けようとします。
つまり、自分が嫌な思いや損をしたとしても、相手に指摘することなく、自分の中で感情を抑える人が多いです。
もし、自分の感情をコントロールできない人の方が多ければ、接客業は破綻し、日本のサービスの質は確実に落ちていたでしょう。
例えば、100人接客すれば90人がクレームを言うのが当たり前の世界ならば、誰も接客の質を上げようとは思わず、接客に関して諦めの方が強くなるはずです。
寧ろ、接客をする側もお客様に対してクレームを出しているかもしれません(笑)
そういう世界では接客業は成立しませんから、接客業を率先として行う人も少なかったでしょう。
外国ではレジが面倒くさいということで、たくさん買い物カゴに商品を入れて買い物をするお客様を嫌いますからね・・・。
日本のサービスの質が世界でもトップクラスなのは、日本人の特徴があってのモノだと私は思います。
日本人は相手を思いやって行動ができるからこそ、お客様の質も高く、接客する側も質が高いのです。
そんな世界だからこそ、クレームを言う人自体が特殊なのです。
確かに、本当に店員の接客が悪く、損をした場合ならクレームを上げるべきです。
しかし、そのクレームを上げることにエネルギーが必要なので、クレームを言えるというのはその人の能力だと私は思います。
自分の不利益だけでなく、他の利用者に同じ思いをさせないようにや店のことを思っての愛のあるクレームもあります。
ですので、基本的にクレームを上げられるというのは、前向きに考えると光栄なことなのです。
それだけ店の質が上がるということなので、そのクレームを改善すれば確実に店は成長するのですから。
クレームの内容次第ではお客様に感謝しなければならないこともあるということですね♪
悪質クレーマーには常識が通じない?
まずクレームを言ってくる人は特殊だということを頭に入れましょう。
クレームはそれだけ店の伸び白として考えると、接客のレベルアップに繋がるので、クレーム対応も大事な仕事なのです。
しかし、ありがたいクレームを言う人の他に、自分に利益が出るように理不尽なクレームを言う人が存在します。
そこで理不尽なクレームを言う悪質クレーマーを相手にするときに、知識として知っておいて欲しいことがあります。
それは、悪質クレーマーには常識が通じないということです。
店側に全く非のない理不尽なクレームを言われたことは皆さんの店でもあると思います。
理不尽なクレームをいうクレーマーは、クレームを言うことで自分の利益になるように展開しようと企みます。
お金を多く請求したり、全部食べたのにも関わらず新たに商品を要求したり、割引券などの金券を求めてきたりします。
金品以外にもストレス発散や特別扱いされることを目的にしている人もいます。
クレーマーに対しては対応を気をつけなければならないのですが、悪質なクレーマーに関しては、一般の人であれば気にも留めないようなことでも、自分の利益になるまでは帰ろうとしません。
それだけ常識とかけ離れた行動をとっているわけですから、「普通これくらいで怒る?大げさすぎじゃない?」という感覚で接しても絶対に解決に導くことはできません。
悪質なクレーマーは、クレームを言うことで自分の利益になることに味を占め、他店でも同じようにクレームを言っている可能性があります。
ですので、クレームを言うことに慣れているため、しっかり内容を理解して相手が何を求めているのかを正確に理解し、客観的な立場として話し合いに応じるようにしましょう!
当事者として話を聞いてしまうと、最初は「何でそんなこと言われないといけないんだ!」と思っていても、次第に相手の言葉に惑わされ最終的には「謝るからもう帰ってくれ!」という風になってしまうことが多いからです。
そして対応するときは、一般常識は通じないと理解しながら対応してください。
悪質なクレーマーを相手に、自分の常識を振りかざしたとしても、相手にとってはそれは常識ではありません。
悪質クレーマーは、クレーマー自身の主観が常識なのです。
世間の常識を相手にぶつけたところで、それを完全否定されると確実に手段に詰まります。
悪質なクレーマーに遭遇した場合は、その時の自分の感情をぶつけるのではなく、友達の彼氏(彼女)の愚痴を聴くような感じで、あくまで客観的な立場として冷静に相手の主張を聴きましょう。
クレーム対応に不慣れな人は、理不尽なことであっても自分で解決しようとするから、できないことまで余計に考え、自分で自分をパニックに陥れてしまうのです。
そうなると、悪質クレーマーの思う壺で、頭がパニックになっているので、無事に解決するために、クレーマーの意見を聞き入れてしまい、お店側が損をすることになってしまうのです。
ですので、悪質なクレーマーを対応する場合は、第三者として相手の相談を受けているという感覚で接することがポイントです。
悪質クレーマーの対処法
先ほど申したように、理不尽なクレームを当事者として対応するから、解決することができず、相手の主張を呑むしかなくなるのです。
自分が怒られていると思うと弱気になってしまうので、お客様が自分とは関係ない何かに怒っているというスタンスで話を聴くと、冷静に話を聴くことができます。
悪質なクレーマーに遭遇すると、自分達で解決しようとした結果、それができずに相手の言いなりになってしまうということがよくあります。
ですので、悪質なクレーマーの主張に応えることができないことを無理に応えようとする必要はありません。
店員はクレームの原因の大元を調べ、そこに従事する人達に解決してもらうように手配することしかできません。
「おにぎりの具が少なかった」とクレームを言われたところで、コンビニを運営する側はどうしようもありません。
クレーム対応に不慣れな人は、一口だけならともかく全部食べたにも関わらず、お客様から商品に対してクレームを受けたとき、店の商品と交換したり返金したりするのでしょうが、それは一番してはいけない対応です。
その対応は、逆に相手に美味しい思いをさせてしまっているので、その後クレームが常習化する恐れがあります。
絶対に要求を呑んではいけないクレームもあるということを頭に入れて置くようにしてください。
決して全部自分で解決しようとしなくていいのです。
クレームの内容を聴いて、どこなら問題を解決できるのかを一緒に考えてあげることがポイントですよ♪
では具体的に悪質クレーマーの要求を断る方法をお教え致します。
謝罪を要求された場合
「謝れ!」と言われたらつい「すみません」と言ってしまいがちですが、絶対に謝罪の言葉を発してはいけません。
謝罪の言葉を発した瞬間に自分の非を認めたことになるので、相手が「これはいける!」と確信し、さらにぐいぐい詰め寄ってくるからです。
「お客様の心情を察します。それは不運なことでしたね・・・。」と哀れみの表情で同情するように対応をしましょう。
謝罪をすることで非を認めた形になってしまうので、その後理不尽な要求をされたとしても、お客様が優位に立っているため、拒むことが難しくなってしまい、仕方なく要求を呑まざるを得ない状況になってしまいます。
悪質クレーマーは百戦錬磨の人が多く、攻略法をもっているため、少しでも相手に主導権を握られてしまうと、その後挽回することが難しくなってしまうので、絶対に謝罪の言葉は発しないように意識しましょう!
立場の優劣が付かず、対等の関係で話を展開していくことが理想的ですね♪
責任者を要求された場合
また、「責任者を呼べ!」と言われれば、ついすぐに店長を呼びがちですが、すぐに責任者に交代することはなるべくしない方がいいです。
最初から相手の要求を呑む形となり、責任者が対応するころにはクレーマーの方が勢いがあるため、いくら責任者といえど、いきなり判断を迫られるのですから、しぶしぶ相手の要求を呑んでしまうことになる可能性があるからです。
ですので、まず責任者と会うことを要求されたときは、すぐに責任者を呼ぶのではなく、状況確認をするようにしましょう。
「お客様一体どうなさいましたか?話を円滑に進めればと思いますので、お客様の話をお聞かせ願いますでしょうか?」
このように、相手が何に対して怒って何を要求しているのかという情報を責任者にバトンタッチする前に仕入れておくのです。
もし、店側に非があれば、「それは大変申し訳ありませんでした。すぐに責任者と連絡を取り、手配させていただきます。少々お待ちくださいませ。」とこのように責任者に繋ぎましょう。
普通のクレームであれば、感情があふれ出ているかもしれませんが話をしてくれるはずです。
逆に非がなく、理不尽なモノであれば、「左様でございましたか。速やかに解決するための手段を共に考えさせていただきます。少々お待ちくださいませ。」このような感じでしょうか。
情報を得たら責任者に引き継ぐときに、その情報も一緒に引き継ぎましょう。
そうすれば、責任者がクレーマーと接する前に、ある程度対応を頭にイメージすることができるので、落ち着いてクレーム処理をすることができます。
悪質なクレーマーを相手にするときはいかに冷静に対応できるかが重要なので、なるべく情報を仕入れてから責任者に対応を任せるようにしましょう!
金品を要求してきた場合
もちろん、金品などを要求してきた場合は、絶対に話を聴く必要はありません。
もし、不備があった商品の現物が手元にあり、見て不備を確認できるモノであれば、返金や新しい商品と交換をして対応をすればいいと思います。
しかし、悪質なクレーマーは決して現物を持ってくることはありません。
「おにぎりの具がパッケージと違ったんだけど?」というクレームを後日言ってきたとして、現物を提示するようにお願いしても、「全部食べた。」や「全部処理をした。」と言い張ります。
もしおにぎりの具が違っていればもちろん、迷惑をおかけしたことに対して謝罪と交換等の対応をしなければなりません。
具が違うと気づいた時点で食べることを辞め、現物を残していれば契約内容が違うと指摘することで、売買契約を破棄することができます。
しかし、具が違っていると気づいたにも関わらず全て食べたのであれば、その商品を購入したことを認めることになり、売買契約が成立したことになるので、返金や交換等の要求に応じる必要がないのです。
「お客様も心情をお察し致します。ただ、商品が違うと気づいたにも関わらず全て召し上がられたのであれば、売買契約が成立しておりますので、お客様の要求に応じることができかねます。」とはっきり断るようにしましょう!
現物を残さずにクレームを言ったところで、本当であったとしても、お客様の要求を呑む必要がないのです。
常識的に、もし商品に違いがあった場合は、パッケージと現物を残すはずですから、クレーマーが何を言おうが気にする必要はありません。
もし相手側が渋るようであれば、警察をすぐに呼んで対応してもらってください。
断っても粘ってきた場合の対応方法とは?
いくら相手の要求を断ってもどうしても引いてくれないときがあります。
そのときはとにかく根気勝負です!
「相手の要求を呑めばこのやり取りも終わるから、不本意だけど要求を呑むしかないか・・・。」と絶対に折れてはいけません!
持久戦になることは相手は想定内で、寧ろ持久戦に持ち込んで相手が折れるのを待つことが悪質クレーマーの作戦です。
ですので、初めから悪質クレーマーとの対応は持久戦になることを頭に入れておきましょう。
ではどのように対応するかですが、とにかく相手の要求に応えられないことを言い続けるしかありません。
「誠意を見せろ!」との要求に対してはとにかく謝罪をするしかありません。
それでも誠意を見せろと要求してくる場合は、遠まわしに何か金品をよこせと言っているのです。
その場合は、「謝罪することが私どものできる最大の誠意でございます。大変申し訳ありませんでした。」で押し通します。
絶対に金品を渡すことがないようにしましょう!
最終的に悪質クレーマーの要求を断るときは、「お客様の期待に応えることができずに申し訳ありません。」を機械のように繰り返します。
もし、30分以上粘るのであれば、SVに報告し代わって対応してもらうか、警察を呼んでその場を収めてもらうようにしてください。
1時間以上も不当な要求を続けるのは営業妨害に当たるので、長時間付き合うことになったとしても不当なクレームに関しては一切謝罪する必要はないです。
謝罪するのは、お客様の要求に応えることができないことに対して謝罪をして、相手が諦めるのを待つことが店側が損をすることのない最善の方法です。
悪質クレーマーを相手にする場合はとにかく根気勝負なので、絶対に気持ちで負けてはいけません。
お客様は大切ですが、もし悪質クレーマーの場合は二度と来てもらわなくてかまわないというスタンスで対応することがポイントです♪